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第115回 ホリスティックフォーラム 平成26年6月22日(日)

手の治癒力

 


 人類は古今東西、身体に触れることで心身の癒しを得てきた。本講演では最近の研究からわかってきた、身体接触がもたらす癒し効果について紹介する。 触れることはオキシトシンの分泌を促し、それは心身をリラックスさせ、人との絆を強める効果をもつ。

 

 特に皮膚を優しく撫で軽く圧するといった微弱な刺激は、心身の統合を促し癒しをもたらす要素である。皮膚は見方によって、様々な側面を呈示してくれるマルチモダルな臓器である。東洋医学では西洋の見方と異なり、皮膚に対しても先駆的な観点から検討が行われてきた。

 

 今後は、皮膚から心身を癒す手法について、東洋と西洋の知を融合させ、新たな知を共創していくことが期待される。ケアが必要なこどものためのタッチケアの症例など、実践の場からの報告としてご紹介させていただきます。

 

プロフィール

山口創

山口 創(やまぐち はじめ) 

桜美林大学教授 1967年生まれ。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。専攻は、健康心理学・身体心理学。聖徳大学人文学部講師を経て、現在は桜美林大学教授。臨床発達心理士。 心と体の癒しをテーマに研究している。 主な著書に、『愛撫・人の心に触れる力』(NHKブックス)、『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)、『皮膚感覚の不思議』(講談社)、『幸せになる脳はだっこで育つ』(廣済堂)など多数。